2012年8月6日月曜日

『予約会員獲得のすすめ-奇跡をよぶ財政安定化マニュアル』

本の紹介です★
青学の「文化行政制度論」前期最後の授業で、この本からテーマを取ってディスカッションしました。

★『予約会員獲得のすすめ-奇跡をよぶ財政安定化マニュアル』(著者:ダニー・シューマン、発行:芸団協出版部、2001年)

タイトルにある「予約会員」とは、一年間や半年など、公演のシーズンなどと呼ばれる、一定の期間内に上演される複数公演全てに来場することを前提として、一括で複数公演のチケットを購入(セット券、シーズンチケットなどとも言います。)する人、またはそういう人を囲い込む制度(メンバーシップ、友の会などと言います。)に入っている特定の客層を指します。

本の副題に「財政安定化」という言葉がありますが、毎年一定の時期にまとまったチケット収入を見込めるこの方法は、
興行団体、劇場などにとって公演の売り上げ予測を立てることは言わずもがな、最大のメリットとして一度に大きなお金を得られる点にあります!!!

30章ある中で、特に「チケット売場で予約会員にどう対応するか-予約の変更」の章が興味深く、日頃の自分の仕事(チケット管理、票券担当などと言い、チケットに関する全ての作業と管理を行います。)と併せて、予約会員を対象としてはいるものの、直接的な対面の場における接客の心構えについて、再度確認する内容だと感じました。

公演当日の入口に設置する受付テーブルにいらっしゃるお客様は、当日券購入、予約済みチケットの引き取りや精算、招待者へのチケットとパンフレット渡し+挨拶、チケット紛失や忘れ等の対応、既に持っているチケットを別の席に変更希望など、事前に予測できる対応とその場の判断が求められるケースがありますが、全ては「劇場での時間を楽しく過ごす」ことに集約され、その目標を達成するため、団体や劇場のルールや考え方をベースに丁寧さや誠実さなどが個別対応として重要になり、もてなされている実感やチケット代を払って鑑賞経験を得ることへの納得、満足等に繋がるのだと振り返りました。(私自身は、チケット料金の高低に関わらずこの気持ちが大切だと考えています★)
(青・さいとう)








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