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2012年8月1日水曜日

観劇とドレスコード

はじめまして。お茶大のSSと申します。よろしくお願いいたします。

突然ですが、皆さんは劇場に観劇、または音楽会などに行く際、「何を着ていこうか?」と普段悩んだりはしますか?

そして実際、どのような服装で行かれますか?



私は先日あるクラシックのコンサートを観に東京文化会館へ出向きました。その日は某音楽大学の学生達が団体で観劇に来ていたようなのですが、その学生達の服装に私は思わず目が点になってしまったのです…。

Tシャツに半ズボンにビーチサンダルの男子学生達がぞろぞろ。キャミソールに短パンにサンダルの女子学生達がぞろぞろ。
正直言って、そのまま海に行けるのでは…?という服装の学生達がたくさんいて、(もちろん全員がそうだったという訳ではありませんが…)一部からは、日本のムジーク・フェラインとも称される東京文化会館のホワイエにはあまりに似つかわしくない光景だ、と私は感じました。


私が劇場に出向いてこのように感じたのはこのときが初めてではありません。年間少なくとも15回近くは劇場に行っていますが、毎回首をひねりたくなるような服装をした観客を目にします。

以前、某音楽大学に通う友人と観劇に行った際、彼女の服装はデニムの短パンにサンダルでした。私は、音大の学生のくせに(言葉が悪いですが)そんな格好で来るのか!!と勝手に怒りを覚え、彼女に「劇場に来るのにその格好なの?」と尋ねたことがあります。その時の彼女の回答はこうでした。


「私はそういうの気にしないから」


当時、その回答にもなんとも言えない怒りを覚えたのですが、私は彼女にそれ以上何も言い返せなかったのです。
というのは、私が何に対してそこまで怒りを覚えているのかがはっきりと分からなかったからです。

そして今でもなぜ私が観劇の際の服装に関して毎回憤りを覚えるのか、はっきりと説明がつきません。


そこで、皆さんの中に同じように感じている方がいらっしゃらないか?そういう方はなぜそのように感じているのか、意見を伺いたいと思い投稿させていただきました。


私は劇場に観劇に行く際、何を着ていこうか、と毎回少し悩みます。

というのは、あまりにひどい格好で行くのは、舞台で精一杯パフォーマンスをされている方に失礼だと思うからです。

でも、デニムは失礼だけどスーツなら失礼じゃないのか、と言われると何も言い返せません。
そういう問題じゃない!と言いたいところですが、「私はそういうの気にしないから」という人にとっては、問題はそこなのでしょう。


劇場芸術の観劇料はかなり高額なため、劇場芸術は敷居が高いと感じている方も多いと思います。

しかし、一方でその敷居の高さに魅力を感じているという方も多いのではないでしょうか?

そういう方たちにとって、高いお金を出してチケットを買い、ちょっとおしゃれをして出かけ、素敵なレストランで早めのディナーを楽しみ、休憩にはシャンパンで乾杯し、最高のパフォーマンスを観て帰宅する…というような、一連をすべて終えたところで「観劇を楽しんだ」と感じているのではないでしょうか?


現実的に、そういった人たちのみをターゲットにした芸術というのは成り立っていかないでしょう。NBSが格安の学生券やエコノミー券などを販売し、敷居が高いと思われる劇場芸術が一般の人にとってすこしでも身近になることは、芸術家にとっても芸術振興の意味でも非常にプラスになることです。

しかし、だからといってその芸術鑑賞の場が環境がガラッと変わってしまう事はプラスではないと私は思います。


西洋では、劇場にといえばかつては上流階級の人々が赴く場所であり、現在でもドレスコードがついていて、劇場に相応しくない服装の人は注意を受け、入場できない場合も多くあります。
しかし時代と共にファッションも変化し、「劇場に相応しくない服装」を見極めるのは難しく、観客と揉めるケースもある、と英国ロンドンのロイヤルオペラハウスに勤める友人が話をしていました。


デニムが悪くてスーツが良いとは思いません。

でも、劇場に芸術鑑賞をする際にはやはり「劇場に相応しい服装」で行って欲しいと思ってしまうのは私の考えが古いのでしょうか?


皆さんはどう思いますか?


(茶・SS)




2012年7月30日月曜日

ヨーロッパの夏はフェスティバル・シーズン

20日にすべての授業を終え、本務校での入試説明会を21日に終え、22日にドイツに向けて飛び立ち、昨日戻りました。今回は、研究の打ち合わせと、州立図書館での資料閲覧だったのですが、夜はフェスティバル・シーズン真っ盛りのヨーロッパを楽しんできました。クラシック音楽ファンには、堪えられないです。夏のヨーロッパは本当に気持ちよくて楽しいです。今年はドイツも珍しく猛暑のような暑さでしたが、からっとしているので日本よりはずっと過ごしやすいです。ちなみにヨーロッパのアートマネジメント研究では、フェスティバル研究は重要な領域の一つです。

私が出かけたのは、ミュンヘンのオペラ・フェスティバルと、ニュルンベルクの国際グルック・オペラ・フェスティバルですが、この時期は本当にフェスティバルまっさかりです。ちょうどザルツブルク音楽祭やバイロイト音楽祭が開幕した時期だったので、連日、ニュースでは開幕の模様が報道されていました。こちらがそういう目で見ているからかもしれませんが、日本に帰ってきたらオリンピック一色なのとは大違いという印象です。「今年も、夏のオペラのフェスティバルが開幕しました」という感じで(日本だとフジロックかなぁ)、それだけでもわくわくします。フェスティバルは、シーズン中の公演とは異なり、著名な歌手を呼んできての公演になるので、チケットも高額になりますが、それでも日本で公演を見るのと比べれば、ずっと安いですから、満足度も相当に高くなります。チケットは取りにくいですが、皆さんも是非、夏のヨーロッパを経験してみてください。

見たオペラ
ヴォツェック、ホフマン物語、トスカ、エレクトラ、トゥーランドット、ポンテのミトリアーデ。

(M.K)

劇場における“教育”の側面



日中国交正常化40周年を記念し両国の国立劇場である、新国立劇場と中国国家大劇院が、オペラの共同制作公演を行い、7月27、29日に新国立劇場にて『オペラ・アイーダ』が開演された。欧米の歌劇場で活躍する日本、中国の歌手陣が揃い、両劇場の総勢100名の大合唱とともに、祝祭的なオペラ「アイーダ」を歌いあげる。
今回私は当劇場の〝アカデミックプラン〟のプレゼントキャンペーンに当選し、観劇することとなった。アカデミックプランとは、25歳以下の青年が対象で、オペラのS、A席のチケットが5000円、バレエ、ダンス、演劇のチケットが定価の半額で購入できる。また、オペラのゲネプロを無料で観劇でき、定期的にイベントやお得な情報が届くという活気的な企画である。参加方法は新国立劇場のサイトで登録し、抽選に応募するというものである。私は前回当選した「ローエングリン オペラゲネプロ鑑賞会」の観劇を含め、今回が二回目の参加となった。以下に、当プランの仕組みや、劇の感想を述べる。当選のメールには、チケットの受け取り方法の他、以下のような事項が記されていた。


「2つほどお願い」
ひとつめ:日中の共同企画のこの公演は、中国側も素晴らしい歌手に参加していただいております。国を超えたこのパフォーマンス、互いをリスペクトし合い、きっと素晴らしい音楽が奏でられることと思います。どうぞ観客の皆様は良い演奏には惜しみない拍手と、「ブラボー!」の声をよろしくお願いいたします。
ふたつめ:夏の暑い時期のこの演奏会、特にドレスコード(服装指定)はありませんが、よろしければちょっとお洒落していらっしゃいませんか?皆様のような若いお客さまがちょっと素敵な格好でいらっしゃいますとロビーの雰囲気や公演全体が華やかになりますので。


このように、劇を盛り上げてもらおうという意図が伝わる。とりわけ、今回は記念すべき日中国交正常化40周年という国家間の重要な行事でもあるため、当選者は祝賀ムードを盛り上げる要因でもある。チケットの受け取り方法は、アカデミックカウンターにて名前を告げ、チケットを受け取るという簡単な方法であり、他の機関を通すことが一切ないため利用し易い。席は一階席と無料招待にしては好待遇であり、四階席で観たゲネプロに比べ、音の響きも格別であった。
場内の客層を見渡すと、客層は老年代の方が多い。アカデミックプランは、格式が高いというイメージや、金銭面で劇場に足を運び辛い若い世代に対し、様々な企画を設け、そのような“制限”を緩和する目的があるのだろう。残席を埋めるという目的ならば、対象を限定する必要はないが、なぜ“若者”に向けているのか。
以下は、パンフレットに記載している新国立劇場についての一部抜粋である。

若い世代に優れた生の舞台を鑑賞する機会を提供することも重要な役割の一つとしており、「高校生のためのオペラ鑑賞教室」、「こどものためのオペラ劇場」、「こどものためのバレエ劇場」などの教育・普及公演を開催し、将来の観客育成にもつとめています。


アカデミックプランは上記の企画の対象者に比べ、年齢層の高い、より学究的な者を対象としている。芸術とは無目的である、芸術を享受するには段階を踏む必要がある、という考えがある。私は、芸術が人間に及ぼす影響とは何か、という問いに確実な答えを出すことはできない。また、芸術を教育の目的とするにしても、その成果ははっきり表れるものではない。しかし、芸術とは定義できない。ある種、未知の可能性を秘めている。また、歴史的にも明らかであるが、芸術は大きな影響力を持つ。ならば、芸術に“教育”という目的を持たせ、最も感受性の豊かな世代に対し、最も上質な芸術を提供することは望むべきことではないか。今後も劇場に、芸術をさらに“教育”の面でも発展させていって欲しい。

日中国交正常化40周年記念 2012「日中国民交流友好年」認定行事
オペラ「アイーダ」<コンサート形式/カットあり>東京公演
台本 アントーニオ・ギスランツォーニ  作曲 ジュゼッペ・ヴェルディ  
日時:7月27日(金)5:00 29日(日)2:00
会場:新国立劇場オペラパレス
指揮:広上淳一
出演:ヘー・ホイ/水口聡/清水香澄/ユアン・チェンイェ/妻屋秀和/ティエン・ハオジャン
合唱:新国立劇場合唱団 国家大劇院合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

(茶 A.O)

2012年7月21日土曜日

自己紹介と告知

こんにちは。
東京芸術大学M2の山崎と申します。
ようやく夏本番と思いきや、昨日・今日はびっくりするほどの涼しさですね。

さて、初めての投稿なので、まず自己紹介からさせて頂きたいと思います。
私は学部から東京芸大にいまして、身体表現・舞台芸術について学んでいます。
大学入学後からダンスを始めて、あれこれ模索しつつ作品をつくったり公演を行ったりしてきました。
昨年10月にひとつ区切りとなる公演があり、その後小休止期間を経て、
最近はセッションイベント等に参加して踊ることが多くなっています。 
ダンスといっても、バレエやモダンダンスを本格的に学んだ経験はなく、舞踏とマイムを基にしています。
ジャンル的には、コンテンポラリー・ダンスということになるのでしょうか…

ということで、今回はいま関わっている企画をいくつかご紹介したいと思います。
(宣伝です!)

ひとつめは、今年5月から始まった「空宇宙室」。
サウンドアーティスト・美術家の中川敏光さん、グラフィックデザインユニットの
TRAPEZE COMMUNE(トラピーズ・コミューン)、舞踏家の嶋田勇介さんが中心となって発足した企画で、
毎月1回、音楽と舞踊による実験的公演イベントを行っています。
私はvol.1、vol.2と参加させて頂き、来月11日のvol.4にも出演予定です。
会場となる「Chapter2」は、横浜の長者町にあるアート拠点「CHAP(長者町アートプラネット)」の二階。
元ダンスホールの趣きある空間で、音楽やダンスのイベントの他、
ワークショップや展示などにも使えるレンタルスペースとして運営されています。
空宇宙室はまだ始まったばかりですが、こうしたイベントをきっかけに
異分野のアーティストやクリエイターが出会ったり、
様々な人間の交流が生まれる場となってほしいという期待をもっています。

ふたつめは、 街をぶらりと歩きながら出会うパフォーミングアート&ミュージック「LAND FES」。
来月、8月の2〜5日です。
吉祥寺の街に設定された4つの会場で、音楽とダンス、パフォーマンスのセッションが行われます。
出演者と組み合わせは各回ごとに異なりますので、お見逃しなく。
こちらは初めて参加させていただくので、どんな様子なのか、どんなことになるのか分からない部分もあり、
なかなか未知数でどきどきです。

最後に、「三宅島在住アトレウス家」。
実はこちらが最も説明の難しいものであります。
「アトレウス家」のプロジェクトは東京文化発信プロジェクト・東京アートポイント計画のプログラムであり、
「墨田区在住アトレウス家」「豊島区在住アトレウス家」を経て、
今回はついに(?)東京の離島・三宅島へ行きます。

…長くなりましたので、続きは改めて書くことにしたいと思います。

(芸・ヤマザキ)









2012年7月13日金曜日

おもしろ観劇キャンペーン


あたりさわりのない話から…
7月も半ばとなり、暑い日も多くなってきましたね。
しかし、私はまだ「夏だ」という実感がわいていません。

原因は、蝉。
みなさん、今年になって蝉の鳴き声を既に聞かれたかたはいらっしゃいますか?
私が中学生の頃は5月くらいから蝉の鳴き声がして、授業の先生の声よりもそちらに耳を傾け、夏休みのことを楽しみにしていたものですが、
今年は未だにその声を聞きません。
ちなみに私は成田というところで小学校・中学校に通いました。
成田は東京から離れたまあまあ自然の残るところなので、5月からというのはかなり早いと思うのですが、それにしても今年は遅いと思うのです。
何かの影響でしょうか?

早く 蝉の声を聞いて夏を実感したいものです。
以上、番外ゼミとセミをかけたお話でした。
 
 
……ということを先週下書きしていました。我ながら、オチが微妙ですね。
しかし、昨日やっと蝉が鳴いているのを耳撃!!
夏が来た!と感じております、芸・かさはらです。はじめまして。
紹介が遅れてすみません。現在学部4年です。
今は就職活動(シュウカツ)を終え、卒業論文に邁進しようとしているところであります。
大学ではアートマネジメントを専攻し、
学部3年まではこあずさんと同じく、「谷中のおかって」が主催する「谷中妄想ツァー!!」、「谷中妄想カフェ」という企画の制作運営に関わっていました。

このプロジェクトの舞台である谷中地域についてちょっと紹介すると、
谷中は、東京芸大上野キャンパスの隣に位置しています。
谷中霊園という墓地を中心に栄えたところなので、お寺などの昔ながらの町並みが残る場所ですが
新しいギャラリーやカフェなども多く、観光地としても注目されている地域です。
今話題のパンダ家族がいる上野公園が芸大の庭なら、谷中は芸大の裏庭…そんなように思っています。
妙なノスタルジックを醸し出す変な場所なので、ぜひみなさまおこしください。


谷中のことについてお話しすると長くなると思うのでまたの機会にでも。
今回は授業とも関係するような、このごろ私が面白いと思ったある劇場の観劇キャンペー ンについてご紹介します。
 
 
 
先月「ままごと」という劇団の「朝がある」という芝居を観ました。
この劇団の創る芝居は、私が大学に入って出会ったものの中で衝撃を受けたもののひとつですが、
今回は内容・感想については割愛させていただきます。
ここでお話したいのは折り込みチラシのことです。
演劇に限らずだと思いますが、そのジャンルのチラシがパンフレットと一緒にたくさん折り込まれますよね。
この時はビニール袋にまとめられてドーンと渡されました。

演劇のチラシのデザインって私はとても好きで、どれも観たい!と思わせるものばかりなんですが、結局行かないことが多いのです。
なぜ行かないのか。 私の場合、お金が無い、時間がないというありきたりな理由からでした。
あと、ほとんど演劇のことを知らないので、どんな作品がおすすめなのかわからないからです。

そんななか、目に留まったチラシが。

「10万円キャッシュバックキャンペーン」
え…10万円もらえるの!?

どうやら北区にある王子小劇場でおこなわれる「佐藤佐吉演劇祭」というものの一環のようです。
演劇祭期間中に披露される10演目を全てみたひとたちで10万円を山分けできるシステムだそう。
その10演目というのも、王子小劇場の支配人が今イチオシとする作品ばかりとのこと。
お金も戻ってくるし、今旬の作品が次々観られるっていうのは私にとってはすごく魅力的でした。

早速1演目目「劇団競泳水着」さんの芝居を観劇しに行きました。
まったく予備知識もないまま行ってみましたがとてもおもしろく、
その後も「まごころ18番勝負」さん、「悪い芝居」さんの芝居と、
調子に乗ってここまで3演目まで行けてます。

大体1週間に1演目のペースなのですが、
そんな頻度で観劇するのは初めての私にとってはこんな芝居もあるんだという発見になっており、
また、自分がどんな劇が好きなのか、趣向を把握する機会になっているなあと思っています。
あと、同じ舞台だからこそ、スタッフの配置やアナウンス、舞台の使い方、客席の使い方などを比べるのもおもしろいです。

 
きっと劇場・劇団にとっても、このキャンペーンは利点が大きいのではないでしょうか。
ただ欠点としては、キャンペーン自体はお客さんから「口コミ」で広がっていくことはないということでしょうか。
分母が少ないほどひとりあたりのキャッシュバック代は高くなるのですから。
(それとも、こんな腹黒いことを考えるのは私だけ…?) 
 

私は、このような劇場主催のお客さんを呼ぶための独自のシステムってどんどん広がっていったらいいなと思います。
芸術運営論の授業で先生がドイツの劇場を紹介されたなかで
シート(チケット)をとることでのお客さんとしての支援があることを紹介いただいたことがあると思います。

チケット代だけで賄えるのなら、もちろんそれが一番いいのです。
でもそれではどうしても収支が合わないから、その他の面での支援が現在日本で行われているのだと思います。
しかし今一度、お客さんを囲い込む仕掛けを見直すと、そこにもいろいろな方法があるのではないでしょうか。
その一例が、今回のキャッシュバックキャンペーンだったのではないかと思っています。

さて、ここまで書きましたが、
もしこのようなおもしろい観劇システムを他にも知っている方は、ぜひコメントお願いします!

(芸・かさはら)

【参考URL】
・佐藤佐吉演劇祭2012 公式HP
http://www.en-geki.com/sakichisai2012

・ぐるぐるヤ→ミ→プロジェクト公式HP
http://okatte.info/guruyami/


2012年7月7日土曜日

日本初劇場レジデンシャルダンスカンパニーNoismについて

はじめまして、茶・harryです。

昨日、埼玉県の彩の国さいたま芸術劇場で行われたNoism1という
ダンスカンパニーの公演を観に行ってきましたので紹介させていただきたいと思います。


このNoism1というカンパニーは、りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館が、
舞踊部門芸術監督にダンサー兼振付家の金森穣さんという方を迎えたことにより、
2004年に設立された日本初の劇場レジデンシャルダンスカンパニーです。
2009年には、付属の研修カンパニーNoism2が設立されました。
朝日舞台芸術賞舞踊賞を受賞するなど、ダンス界の中でもとても注目されている存在です。


昨日私が観た公演は、『Nameless Voice~水の庭、砂の家』というタイトルの公演で、
2008年の『Nameless Hands~人形の家』、2010年の『Nameless Poison~黒衣の僧』
に続く見世物小屋シリーズ第3弾として発表されました。


第3弾となる今回の作品は、新潟、埼玉、静岡、愛知、金沢で公演が行われ、
企画段階より、彩の国さいたま芸術劇場、SPAC-静岡県舞台芸術センター、
愛知芸術文化センター、金沢21世紀美術館と連携をして制作されています。


なるほど、作品の内容も専属の劇場を持ち、各公演の劇場との連携なしには
出来ないような派手な演出がなされており、ダンサーの技術的レベルもかなり高く、
とても見応えのある舞台でした。

新潟市が全額出資する財団法人新潟市芸術文化振興財団の予算により
カンパニーの諸経費、団員の給与、公演にかかわる事業費などが賄われており、
稽古や制作に専念できる環境があるということもダンサーのレベルや公演の質に
大きく関わっているのではないかと思われます。


日本においてレジデンシャルカンパニーはまだまだ珍しい存在ですが、
このNoism1の活動はその先駆者として注目すべき存在だと思います。


今日、明日の埼玉での公演もわずかですが当日券が出るようです。
また、静岡、愛知、金沢でも公演が行われるので、
ぜひ一度Noism1の公演に足を運んでみてはいかがかでしょうか?


Noism公式サイト http://www.noism.jp/


茶・harry

2012年6月30日土曜日

劇場法について

皆さん、どうも初めまして!東京芸術大学院修士1年の「芸・Marimo」です。よろしくお願いします。
まずは今までやってきたことと興味の対象について紹介します。僕は大学在学中に、劇場付属のカンパニーに所属しました。そのときに、社会における劇場のあり方やレジデンシャルカンパニーをもつ劇場が地域の人々にとってどのような役割をもつのかということに興味をもち、講義を受講しました。


さて、ご存知の方もいらっしゃると思われますが、最近「劇場法」(正式名称は「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」)なるものができました。劇場法というのは、国が劇場の役割を規定し、なぜ劇場が必要であるかという根拠を与えるものであります。劇場法が作られる以前は「文化芸術振興法」の理念によって、劇場や公共ホールの実演芸術が振興されていました。では実際に「劇場法」ができたことによって以前とどのような変化がもたらされるのでしょうか。「劇場法」の賛否について見ていきます。

まず、日本における公共ホールは法律によって「集会所」としての役割をもっていたと言えるでしょう。というのも、優れた設備をもつ公共ホールはたくさんあり、貸し館として使われる公共ホールが大半であったからです。よって公共ホールは芸術を生み出す場としての役割を規定されるものではありませんでした。このような背景にあって「劇場法」ができたことで予算の取り付けのときに国に対して、自主事業の正当性を明らかにすることができると考えられます。これが「賛」の部分にあたると思われます。

  一方で、「否」の部分は実際には結局何も変わらないという点です。それはまず、平田オリザが「劇場法」に組み入れたかった、各劇場への明確な予算配分は実現しなかったということが挙げられます。国がもし劇場や公共ホールにある一定の予算を配分したら劇場は付属のカンパニーをもったり、貸し館中心ではなく様々な自主事業を催すことができたりするのだが。
また、各地の条例などによってすでに前述した正当性が確保されていたところもあります(例えば、静岡市や新潟市など)。「劇場法」がより細かい規定を盛り込むことができたとしたら、すでに条例によって正当性を確保している劇場付属のカンパニーや様々な自主事業を行う劇場はより自由にその特色をだすことができただろうに。

このように考えてみると、残念ながらこの度の「劇場法」には現場への効力はあまりないように感じられます。しかし、「劇場法」が成立したことは、国と劇場との関係を深める契機となったのではないでしょうか。したがって、公共ホールはこの「劇場法」を鑑みることで今後どのような事業を展開していくのかが鍵になっていくのではないでしょうか。

劇場法や劇場に関するコメントなどありましたらよろしくお願いします。



関係ウェブサイト
「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」
(http://www.bunka.go.jp/bunka_gyousei/hourei/ongaku_houritsu.html)

(芸・Marimo)