皆さんはLの世界という海外ドラマをご存知ですか?
アメリカで2004年1月から放映された、シリーズ全6部作の人気ドラマです。
日本でも一時期TVCMが放映されていたので、存在は知っているという方もいらっしゃるかと思います。
Lの世界というドラマはロサンゼルスに住むレズビアン達の人生を描いたものです。人工授精による妊娠で子供を授かろうと努力するカップルや、フィアンセのいる女の子に恋をして彼から彼女を略奪してしまうカフェの女主人や、ラジオで自分たちの恋愛模様を世の中に放送するジャーナリストや、彼女たちの人生は実に多種多様なものです。
何故私がこのドラマを皆さんに紹介したいかというと、それはこのドラマの主要な登場人物に美術館のマネジメントを職業としているキャラがいるからです。
彼女の名前はベット・ポーター。芸術を愛し、芸術を愛でる場所を作る事に情熱をそそぐ彼女は、あるとき『陵辱』というテーマで展覧会を開きます。その芸術は人が持つ残虐性や嗜虐性を描いたもので、目を背けたくなるような残酷な絵画もありました。
そして、その中に敬虔なカトリック信者から見れれば「イエス・キリストを侮辱する」ような内容のビデオ作品があったのです。そのビデオに激怒したカトリック信者は展示会を中止せよ、とデモ活動を行い、ベットの展示会を強く非難しました。カトリック信者による過激とも言えるデモ活動によって絵画は破壊されそうになり、そのデモに対抗したベット達は警官に捉えられてしまいます。
どの宗教を信じ、どの神に祈るか、人々にはそれを選ぶ自由があります。
また、芸術家達は自分の内にある世界を好きに表現する自由を持ちます。
芸術家達の自由な活動によって、自分達の信仰が汚されたと感じてしまう人がいる。
そうして、それらの芸術を排除しようとする動きが起こりうるという事。
また、その排除を正しい行いだと信じているがゆえに暴走が起こる事。
その暴走の中で壊されてしまう芸術がある事。
文化アーツマネジメント、という授業にどれだけふさわしいかわかりませんが、ナチスの退廃芸術展を取材した新聞記者の嘆きを聞いたとき、このドラマでベットが芸術を守るために必死に戦う姿や、ベットのパーソナリティを全面から否定するような行動にまで出るカトリックの活動家達を思い出しました。
ベットは他にも美しい芸術作品を見て泣き崩れる程に感動したり、展示会の権利を得るためにアポイントメントなしで大物のホテルを訪ねたりと活発にアートのための活動を行います。
自分の子供が芸術のない場所で育つなんて考えられない、とベットは語りました。
素敵な言葉だと思いませんか?
お時間がありましたら是非、このドラマをご覧になってみてください。
(茶・宇治)