2012年6月17日日曜日

劇場芸術は敷居が高い?

初めて劇場へ足を運ぶというのは敷居が高く感じるものなのでしょうか?
それはイメージの問題なのか、料金設定の問題なのか…

先日の授業の際、近年メトロポリタンやフォルクスオーパーなど海外の主要な劇場の引っ越し公演が主に東京だというお話がありました。
それは関西で需要が減っているからなのでしょうか?

昨年のメトロポリタンの引っ越し公演の初日に行った際に(震災後であったという理由もありますが…)想像以上の空席に驚かされました。

一方で今年の夏に行われる兵庫県立芸術センターで行われる佐渡裕さんプロデュース「トスカ」ha
公演を一か月以上前に完売しているそうです。
その公演は外人チームと日本人チームのダブルキャストとのことです。
近年では日本人が主役を演じるオペラで完売というのは難しいなか、何故兵庫では人気を維持できているのでしょうか?

確かに料金設定が少し低めなことも理由の一つかもしれませんが、私は町(兵庫県や近隣に住んでいる人)がこの企画や劇場に愛着を持っているからではないかと思いました。

毎年夏が近づいてくると音楽祭が始まるぞと言わんばかりにポスターが貼られ、電車や町中に広告がつるされるそうです。

例がスポーツになってしまうのですが…
皆さんは地元に帰るとサッカーチームの広告を目にしたり、駅で月刊や週刊でチームの新聞貰ったり、ファン感謝祭に出会ったことはありませんか?
地域密着や欧州のサッカーリーグをモデルとしたJリーグにおいてよく行われる地域戦略です。
こういった地域戦略に日ごろから目にし、季節(周期)的なイベントが重なっていくと、「自分の町にはこのチームだ」「J1やJ2で成績を残した」と良く知りもしないのに嬉しくなったりすることがあります。
不思議なもので自分も地元のチームに愛着がわいたりします。

兵庫の劇場が意図的に地域に対して何かアクションを起こしているのか、また地域の人がどう思っているのか…確かな情報はありません。
しかし事実として佐渡裕プロデュースオペラは毎年夏に続いており、人気も維持しています。
きっと東京の劇場や芸術祭が学ぶことがたくさんあるのではないかと思いました。

「誰でもわかる入門〇〇」や料金設定を下げた企画などはぷらっと立ちよれるかもしれません。
しかし愛着をもってくれなければリピーターにはなり得ないし、料金を下げたところで良いコンテンツでなければ続かない…という疑問を日ごろから抱いていました。

単純に料金を下げ招待券を出して敷居を下げるのではなく、地域から愛される劇場(ホールとしての機能だけでなく、芸術監督含めての劇場)が東京だけでなく、日本中にできることを願うばかりです。

しかし何をきっかけに愛着を抱いてくれるのか…私には大いなる謎です。

(茶・seiko)



3 件のコメント:

  1. seikoさん、兵庫県は意図的にアクションしているのですよ。そんな視点からも調べてみると面白いかもしれません。
    サッカーの事例もいい事例です。昔は野球でしたが。
    ドイツでは、地元のサッカーチームを応援するように、地元のオーケストラや劇場を愛しています。
    (M.K)

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  2. 私は兵庫の県立高校の音楽科に通っていたので、兵庫県立芸術センターはとても身近な存在でした。
    佐渡さんの影響力はもちろん、seikoさんのおっしゃるように、ここのオーケストラや若手演奏家によるリーズナブルな演奏会企画がたくさんあり、ワンコインコンサートも人気です。また、学生の合唱コンクールや公立学校の芸術鑑賞会の会場としてもよく利用されています。ホール前の広場でパフォーマンスがあったり、冬には木々がライトアップされ、この芸術センターには県の1つのスポットとして個性や魅力があるように思います。
    (茶・kinaco)

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  3. M.K様
    茶・kinaco様

    コメントありがとうございます!
    やはりそうなのですね!!
    今年は縁あって兵庫県立芸術センターのトスカを観に行けることになったので、兵庫の町と劇場の関係を肌で感じてきたいと思います。

    この様に自分の投稿にフィードバックがあることは良いですね!

    (茶・seiko)

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