はじめまして、いきなりですが、みなさんは小・中・高校生時代にどれくらい映画館に映画を見にいきましたか?
私の地元は栃木県南部、足利市という、栃木県の中でも比較的人口が多いところ(おそらく県で3番目)なのですが、2009年、開館してまだ1年2ヶ月しか経っていなかった市内の映画館が閉館。市内に映画館がなくなってしまいました。
そして今年3月には市内から自転車で20分程にあった最も近場にあった群馬県太田市の映画館も閉館。映画館の運営というのは今日の経済状況では大変なのでしょう。
ということで現在最も市内から近い映画館は車で20分くらいの太田イオンの映画館!
な の で す が、
ふと疑問に思ってしまいました。この足利市では市民(特に子どもたち)は映画に触れる機会を持てていないのではないかと。
もちろん、DVDやテレビでも映画は見れますし、映画館にも自転車を35分くらいこいだり、親に車で乗せていってもらってたり、かなり面倒だけど電車とバスを乗り継いでwwという手段はありますが、よし行くぞという思い切りが必要です。
おそらく映画館のない市町村なんて日本にたくさんあるだろうとは思うんです。
ただ、私が疑問に思ったのにはちょっとした理由があります。
それは、市が映画のロケ地提供にすごく積極的であるということです。
都心から日帰り圏内で、気候もよく、ほどよい田舎具合のためか、実際に映画やドラマのロケ地として使われる機会が増えています。
近年では三浦春馬さん主演の『君に届け』(市のHPではロケ地地図なんかも出しています)や、稲垣五郎さん広末涼子さん出演の映画も春にロケをしていました。また現在、市のHPでエキストラを募集している『じんじん』という映画については、主演の大地康雄さんが市長を訪問したそうです。
ミーハーな私としては地元が映像作品の制作に使われることはとても嬉しいことです。
しかし、制作者側にロケ地提供を積極的にしていたり、映画のロケ地として街のPRを頑張っている市長や市のHPを見ると、市内に映画館がないことに矛盾を感じますし、「そんなに映画に関心があるなら、小さくてもいいから市で映画館を運営してほしい!」という気持ちになります。そもそも市営の映画館が存在するかわかりませんが、可能なら本当に市で運営してでも映画館を復活させてほしいんです。
このままだと子どもたちが映画館で映画を見る時のあのドキドキワクワクを経験せずに大人になってしまう。そんなの悲しすぎます。
私の考え過ぎなのでしょうか?
みなさんの住んでいるところの映画館事情はどうですか?
(茶・こんぶ)
こんぶさん、足利市出身なのですね!
返信削除足利市には、毎年必ず仕事で行っています。市民会館の運営に関わっているからなのですが、映画館がなくなってしまったという情報、私にとってはとても有益な情報です。最近は、映画館がなくなった町で、コミュニティ・シネマを立ち上げるなどの動きがあちらこちらであるようです。そんなことも調べてみると面白いかもしれませんね。また、足利市は、文化行政は熱心にやっているのだけれど、それが市民のニーズと乖離しているのなら、そんな視点での情報も知りたいと思いました。
(M.K)
こんぶさん、芸大のヒョウといいます。
返信削除映画館がなくなったというニュースは本当に残念ですね。私はソウル生まれ育ちなので、映画館がない生活は想像もつかないことですが、おそらく韓国の地方はもっと厳しい状況ではないかと思いました。韓国は丁度先週に人口が5千万を超えたというニュースがありましたが、その半分はソウルや首都圏に集中しています。そうなると、地方の大部分は人口が少ないため、映画館を含め商業的な文化施設は絶対的に足りないと思います。
それを考えているうちに僕が疑問になったのは、小林先生のコメントにある「市民のニーズとの解離」ですね。韓国の自治体も、2000年代に入ってから文化行政にものすごく力を入れています。その結果、市民会館のような文化施設は過剰と言えるほど沢山ありますし、様々なフェスティバル(これには文化中心ではないものも含まれていますが)は全国で年間6千回も開かれるそうです。しかし、これが市民のニーズに繋がるとは思われないですね。こんぶさんが書いてくれたように、ロケ地の提供などで町の宣伝や観光に役立つものを中心になりがちでしょう。
映画が文化の中で占める割合を考えると、地方自治体における文化政策は、町の人に最新の映画を一本でももっと見せることから始めてもいいのではないかという気がしました。また、僕は地方に居住したことが殆どないので、地方の人々の文化的なニーズは映画以外にもどういうものが強いのか知りたくなりまいた。
(芸・Hyo)
こんぶさん、こんにちは。
返信削除青学の中国からの留学生「スウエイ」と申します。
最近、フジテレビのドラマ「最後から二番目の恋」を見ました。
鎌倉はこのドラマのロケ地として、観光客の中にかなりヒットしました。
同じ理由で、観光者を増やすために、市が映画のロケ地提供しましたと私の考えです。
しかし、映画館を持ってないところが映画のロケ地提供していることは、ちょっと説得力が不足だと思います。
市営の映画館といえば、故郷の映画館は政府が運営しています。
故郷はすごく小さい町なので、映画館に行く人あんまりないです。
(いわゆる、「市民のニーズと乖離している」のかなあ?)
もちろん、チケットの収入で映画館を運営することは出来ません。市政府からの支援金で運営を助成しています。
公開される映画の本数は少ないですが、一応映画館で映画を見る時のドキドキワクワクは子供が経験できます。
なので、市は映画館を運営することは可能だと思います。
(うちの場合は、映画館で政府を宣伝する映画をいっぱい公開されますけれど。。。笑)
(青・スウ)
こんぶさん、はじめまして。お茶大のharu@sanrikuと申します。
返信削除投稿、とても興味深く拝読しました。
近年、地方都市で映画ロケの誘致を通じた地域活性化が盛んになってきていますよね。
行政と民間が連携して、映画ロケの誘致、受け入れを行う「●●市フィルムコミッション」といった
団体が組織されたりしているケースもあるようです。
ただ、こんぶさんご指摘の通り、映画ロケが盛んに行われている町の市民が、
気軽に映画館に足を運べる環境にあるか?というところは、盲点だと思います。
おそらく、映画ロケ誘致に積極的な行政側としては、
自分たちの地域が映画のロケの舞台になる→市の知名度が上がる→映画のロケのスポットが
観光地にもなり、観光客を多く呼び込める・・・という狙いが最も大きいのだと思います。
あくまで「地域セールス」という側面が強く、
市民の映画鑑賞の機会も含めた、映画文化の振興、といったような
発想はあまりないのだろうな、と思います。
市民にとっては、撮影のための場所だけ貸しているような状態では、
やはり残念な気がします。
地方の映画館衰退の背景は、やはり、採算の問題や
大手のシネマコンプレックスが郊外にできて、そちらに客をとたれたり、
という問題があり、非常に複雑なものと思います。
ただ、それでも市民のための映画館を、という取り組みは少なからずあるような
気がします。たとえば、私の出身地、岩手県宮古市では
市内にあった最後の映画館の閉館を経て、市民運動を通じて、
全国発の「生協方式」による映画館が誕生しました。
http://cinemarine.blog45.fc2.com/
運営状況などの詳しいところまでは把握していませんが、
宮古市やその近隣の地域は東日本大震災による津波で被災しており
被災地域を巡回しての「出張上映」なども行っているようです。
話が逸れましたが・・・
ロケ誘致などの単なる「シティ・セールス」にとどまらない、
市民の生活に根ざした映画文化を広げる手段を考える必要があると思います。
私も、個人的に「映画を映画館で見ること」が大好きなので、
このテーマは非常に興味ぶかく、さらに、こんぶさんはじめ、
皆さんのご意見を知りたいと思います。
茶・haru@sanriku
こんぶさん、はじめまして。
返信削除お茶大の宇治です。投稿、興味深く読ませていただきました。
同じく映画館好きとして、これはゆゆしき事態だと思います。
確かに、地方のみならず近年は映画館のニーズが落ちてきているような気がします。iTunesなど、気軽にネット配信されるようになって、CDが売れなくなったというのはよく言われていますが、映画館の経営にも少なからず影響されていると思います。
先日母の実家に里帰りした時、映画でも見に行こうと皆で街に1館の映画館に行ったのですが、「晴れの土曜日&封切り1週間の話題性バツグンの映画」という好条件にも関わらずお客さんはまばらでした。
映画自体最近はフィルムではなくデータで映画館に届くようですし、映写機をカタカタ回して~という昔ながらの方法は失われつつあります。もちろんデジタル化した事で映像自体はキレイになったとおもいますが、フィルム独特の味が失くなってしまうことは非常に悲しいことだと思います。
デジタルで映写されるのならば、映画館は“大きなテレビを皆で見る場所”といっても過言ではないように思ってしまいますね。
ロケ地として地方都市をもり立てる、という事は素晴らしい事ですが、映画館という場所の存在意義についても一度考えてみて欲しいところですよね。
私も個人的には映画館で映画を見る事が大好きで、レイトショーで一昔前の映画を上映します!なんていうイベントの時にはいそいそと出かけていくクチなのですが、近年の世間の流を見ると映画館の未来は明るくないのかもしれないですね…悲しい事です。
(茶・宇治)
皆様コメントありがとうございます。そして返信が遅くなってしまい、すみませんでした。
返信削除先生が足利市民会館の運営に関わっていらっしゃると知り、驚いて返信するのを今の今まで先延ばしにしてしまったと言うと言い訳になりますね。
<先生
足利市が文化行政に力を入れているのは伝わってくるのですが、なにか少し空回りというか、市民のニーズとずれてしまっている部分がある気がします。
コミュニティ・シネマ、調べてみようと思います。ただ、映画館が無い状態が続いているということは、市民の人たちは映画館にそれほど必要性を感じないのかなとも思ってしまいます。
<ヒョウさん
韓国の文化行政の実態、気になります!文化施設をたくさん作ってきた所など、日本と類似している部分がありますね。
事実私は韓国ドラマ「メリは外泊中」の大ファンで、弘大でロケ地巡りをしたことがあります(笑)
地方の文化的なニーズは私の地域ですとバレエ団の公演や演劇、オーケストラ公演でしょうか。ただ、バレエが好き、演劇が好き、またはそのような人が身近にいない限りなかなか足を運ばないです。やはり映画は、比較的気軽に文化に触れられるので映画館が市内にないのは気になります。
<スウエイさん
私の市ではロケ地提供で実際に観光客が増えたとは思えませんが、市のHPでロケ地マップを載せていることを考えるとやはり観光客を増やすのが目的なのだと思います。
たとえ映画館に行く人が少なくても、政府の宣伝が多くても、映画館で映画を見られる環境があることはすばらしいと思います。
<haru@sanrikuさん
まさに「栃木県フィルムコミッション」という組織が存在していて、地域セールスの面はかなり大きいと思います。そして日本には私の市と同じような状態の地域はたくさんあるんでしょうね。私の様に現状にモヤモヤしている人も。。。
生協方式の映画館なんてあるんですね。HPを見ると、シネマリーンは市民に必要とされているのだなと感じますね。
<宇治さん
映画館のニーズは落ちてますよね。実際、私は映画館で映画を見られる環境が市民には必要だ!と思っていても、みんなが映画館に必要性を感じているかは自信を持って言えません。
しかし子どもの頃の夏休みのプチイベントが友達と映画を見に行くことだったな~などと考えると、映画館はお客さんが少なくても存在していてほしいです。
宇治さんが映画好きなことがとても良く伝わってきます。フィルムじゃなくなったから映画館行かなくなった人も中にはいそうですね!
以上です。夏休みに入り、子どもの頃の夏休みのプチイベントが友達と映画見にいくことだったな~などと考えるとやはり複雑な気持ちになります。そしていつか市内に映画館復活させるぞ!という気持ちも生まれました。同志も見つかるはず!
追伸、映画館大人1800円って高いですよね~
(茶・こんぶ)