2012年7月2日月曜日

芸術との関わり方を考えてみる


はじめまして!
芸大M1の小林あずさ(こあず)と申します。
まずは、自己紹介をさせて下さい。

都内の短期大学を卒業した後、都内の美術大学に編入し、
キュレーションや美術史、アートマネージメントを専攻していました。
そして現在は熊倉研究室で芸術運営を研究しています。
また、谷根千エリアを中心に活動する一般社団法人谷中のおかってのメンバーとして、
「谷中妄想ツァー!!」という
谷中のまちを散歩しながら芸術に触れる体験型パフォーマンスイベントを担当しています。
(一般社団法人谷中のおかって http://okatte.info/ )
今回で4回目となるこの企画ですが、前回までのエッセンスを抽出しつつ、
新たに企画・立案・予算のようなベースのフレームデザインを考え直す作業をしています。

学部3年からアートプロジェクトや演劇の現場に身をおいてきましたが、
フレームデザインを行うことは初めての経験です。
今までは「既に意図やアイデアが決まっている企画」をいかに運営するかを目標に据え、
企画者やアーティストの有能な手足になることを目指してきました。
しかし、今は、「こあずは何がやりたいの?」「こあずはどんな景色が見たいの?」と問われている気がします。
今までアーティストのアイデアや既にある理念を
全身全霊で理解・実現することに身を傾け、依存して来た私にとって、これは天変地異の大転機です。
今までおぼろげだった自分の芸術・社会に対する姿勢を明確にしなくてはいけない。
なぜなら、それを言葉にして、人に伝えて巻き込んで、ともに進んで行かなければいけないから。
おぼろげで自信がない、だから口をついて出てくる言葉は拙く弱々しい。自己嫌悪に陥ることもある。
しかし、人に会って言語化することで、相手の反応や言葉で新たに自分の言葉が磨かれていく感触は
ドラマチックでスリリングで喜びに満ちています。

目標地点に向かって走ることと、目標地点を定めることは全く違う。
そして、アーティストでも批評家でも鑑賞者でもない、マネージメントを志す人間に、
どのような目標地点があり、そこではどんな景色が見えるのか。
そこまで辿り着く道程を誰と歩み、どんな道しるべを見つけることができるのか。

これが私のこれからの現場の楽しみです。

ブログに携わっているみなさまは
どんな気持ちで芸術に関わっているのでしょうか?
どんな言葉でもコメントいただけるととても嬉しいです。
そして、近い将来どこかで出会えたら、
いろんな話をしたいな~と楽しみにしています。

どうぞよろしくおねがいします。

(芸・こあず)

4 件のコメント:

  1. このコメントは投稿者によって削除されました。

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  2. こあずさま、はじめまして、
    お茶大院のharu@sanrikuと申します。
    実地で、アートマネジメントに取り組んでいらっしゃるのですね!
    (東日本大震災に関する私自身の投稿でも触れましたが)、
    私は、学部卒業後、東北の地方新聞社で12年間記者生活を送り、現在は仕事を一時休職して大学院で学ぶ社会人学生です。

    記者時代、地方都市の文化振興に向けた政策や地方オーケストラの活動や課題、さまざまな文化、アートイベントを取材する機会があったのですが、
    そんな中で、もっとも重要だと感じ続けたのは、
    しっかりとしたビジョンを持ってアートマネジメントできる
    人材、プロデューサーの存在です。

    地方の現場にいると、単に、東京で実施したイベントを
    地方に持ってきただけ、、と見えなくもないイベントも少なくなく、その地域の文化やコンテクスト、また、
    もともと持っている文化資源をどう生かすか、というマネジメントの問題を考えさせられる機会が多々ありました。

    ですので、アートマネジメントの現場で奮闘されているこあずさんのような方の存在は、本当に貴重だと思います。

    都市でも地方でも、しっかりとしたビジョンを持って、アートマネジメントできる人材は、本当に必要不可欠だと思います。さらには、震災についての私の投稿とも関連しますが、
    震災被災地においても、地域の文化をどう継承したり、顕彰したりしていくかということについて、きちんとディレクションできる専門家が必要だと感じます。

    そういった人材が、きちんと雇用される環境にあるか、
    また、国や自治体がそういった専門性の必要性をどう考えているのか・・・私もまだまだ勉強不足ですが、
    専門性のある人材をしっかりと生かすことができる
    環境づくりも必要なのだと思います。

    やや、ずれたコメントになってしまったか・・・と
    不安もありますが、ぜひ、こあずさんはじめ、
    皆さんのご意見や見解をまたお聞かせいただければと思います。


    (茶・haru@sanriku)

    返信削除
  3. haru@sanrikuさま

    コメントありがとうございます!
    専門家の必要性に気付いて欲しい!そして、その枠に入れる人間になりたい!と
    日々、感じております。
    やはり、アートに公共的な価値があるということや
    劇場や美術館以外にもアートを息づかせることが出来るということは
    まだまだ一般の認識になっていないです。
    これから文化政策やアートを学んでいる私たちが力を合わせてそれを開拓していかなければなりません。
    みなさん、がんばりましょう〜!

    芸・こあず

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  4. アートマネジメントの現場に取り組む若手に対して、見えにくい仕事の全体像や目的などを、現在活躍する人の例から説明、紹介し、目的を持って企画発信できる人材が育ちやすくなるよう、その阻害要因(物理的、精神的)の検証と併せてまとめることを研究テーマとしています、青・さいとうです。

    研究資料として集めた中で、アートマネジメントの現場と人材育成に関する2つをご紹介します。
    私自身が舞台・演劇の環境を専門としているので、舞台よりになりますが、参考までに。 

    ①『これからのアートマネジメント』
     (中川真+フィルムアート社編集部編 フィルムアート社 2011年4月28日

    ②『舞台芸術人材の育成及び活用について』(文化審議会文化政策部会 平成21年7月31日)
      ★WEBで見られます<文部科学省HP→文化→文化審議会→文化政策部会>

    ①は、アートマネジメントに関わる若手・初心者向きで、仕事内容や社会における目的、活動の場の作り方や求められる能力など、周辺事項がわかりやすく書かれています。

    ②は、アートマネジメントを行う人材の必要性、現状と課題や環境整備などについて、行政の理解、考え方の方向性を総括的に把握できる内容です。

    この人材に関して、問題意識を持っている人は少なくないと思っていますが、現場レベルの話も、現場から一旦離れて客観的に考えることも両方必要だと感じています。こあずさんとharuさんの現場の人材に関するご意見に触発されました。突っ込んだ話がしたいテーマです★
    (青・さいとう)

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