2012年7月19日木曜日

「邦楽モデル事業」


皆さん

はじめまして、東京芸術大学M1のizdyです。

初投稿なので、まず簡単な自己紹介をさせてください

出身地は中国(C.N)の山東省で、中、高、大学校ずっと中央音楽学院(北京)でお箏の勉強をしていた。正直に言うと、今まで歩んできた人生のなか、音楽(演奏)以外のことを真面目に考えたことほとんどないです。自分が納得できる音楽を創るため、ひたすら腕を磨く、聞く相手やそもそも自分がどうしてその人たちに選らばられたのかでさえ無関心のままでした。

それは日本に来て、初めてアウトリーチ(学校との連携)という活動の存在を知る時に不思議を感じた理由かもしれないです。皆さんにとってたぶん耳になれたことかもしれないですが、演奏家がわざわざ学校にいって、将来必ず音楽の道を選ぶとはいえない学生たちとワークショップ(しかも、技術ではなく、コミュニケーション重視なの?!)をやるなんて、最初、この私にとって「本業外」のことにしか思えないです。

今もアウトリーチの意味をまだ理解しきれないですが、その中に、財団法人地域創造と島根県・(財)島根県文化振興財団の共催によって、2009年度に実施された「邦楽モデル事業」という興味深い事例があります。

(財)地域創造では公共ホールを媒体とし、地域においてクラシック音楽を身近なものとするために行う「公共ホール音楽活性化事業(音活)」で、アーティストと学校のコミュニケーションをよりよく結ぶことができると知っていますが、やはり、クラシックがメインで、邦楽があんまり公共ホールの事業として取り上げられていないと感じていました。それはなぜかというと、日本の伝統音楽としての歴史や色々なルールがあって(しかも、中国のお箏の世界と違って、流派間の壁が厚いと聞きましたが)、なかなか手が出せないところがあります。

また、「邦楽の世界では一般のお客を対象にした演奏会をやるということにはほとんどなく、家元制度で弟子さんをたくさん抱えていた方がステータスは高いわけです」(片岡リサより・箏曲演奏家)、それは邦楽が公共ホールに対する依存性が低く、お客さんに対する意識も希薄である原因の一つでしょう。(中国のお箏の世界でもほぼ同じような状況ですから、思わず「そうだよ~」と頷いた。)

でも、「ずっと自分の世界に籠っては事業が進められない」、「和楽器のすばらしさを地域の子供達に伝えたい」と考える演奏家、コーディネータ、島根県芸術文化センターの職員と一緒に、23日の合宿型手法開発研修を組み立てたうえ、5ヶ月の期間で、小学校4年から中学3年まで9校全12クラスで邦楽アウトリーチを行いました。

子供が和楽器に対する興味を引き出し、邦楽鑑賞を習慣として身につけ、そして、いつか親連れ(笑)して、ホールに足を運ぶお客さんになったら(つまり観客・聴衆育成)、邦楽事業や公共ホールにとって重要な目標の達成だと私が思います。

このような短期間のワークショップや研修では、日本の伝統文化やその礼儀作法を教えるのは相当難しいことですが、お箏の音色を楽しんでもらい、和楽器を`体験`することができれば、目標へは大きな一歩を踏み出したのではないかと思います。

「邦楽モデル事業」が今後に向けて、研修経費の捻出や学校側への事業説明などさまざまな課題があります。特に「リクエストやニーズに対応できる柔軟性のある演奏家は非常に少ない現状」で、古典的なアーティストたちも、自分が持つ社会的役割をこれからどう果たすのかを見直すべきではないですか。

私自身がアートマネジメントという領域についてまだまだ知らないことがいっぱいいっぱいですが、こういう自分の過去(お箏)と現在(アートマネジメント)を繋げる事例を見つけて、すごくワクワクしてきました。

今年、9月下旬~11月中旬に(財)地域創造・邦楽活性化事業として、千葉市で行う邦楽アウトリーチに参加させていただきました。

得た経験や面白いエピソードやまた報告いたします!

では!

よろしくお願いします!



(芸・izdy

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