2012年7月31日火曜日

一体感のあるコンクール

はじめまして、茶・umeです。

遅れをとりまして、本日初コメント・初投稿になってしまいましたが、みなさんのご投稿とても興味深く、記事を拝読し楽しくコメントさせていただきました!


今回は、先日スタッフとしてお手伝いに伺った、とある日本歌曲のコンクールについて、印象的だったことを中心に書きたいと思います。


当コンクールは平成2年に発足し、出場者は228人と極めて多く、その年齢層は20歳代~80歳代と幅広く、参加者の所属もさまざまです。実際に行ってみるまで、このように広くながく親しまれている秘訣は何なのだろう、と考えていました。コンクールというと、競争の場であるために、クリティカルな視線が飛び交い、会場全体が独特の緊張感で満たされていると想像する方も少なくないのではないでしょうか。しかし、実際にスタッフとして参加してみると、上述の通り多数の出場者の中でハイレヴェルな争いが繰り広げられるにもかかわらず、単に技術を競うだけでなく、全体が一体となって、日本歌曲を楽しみ探究しようとする一体感のある催しであるように感じました。


実際に現場でふれあってみて肌で感じたのは、その場に集っている人々の目的はさまざまですが(個人的なことも含むので詳細は割愛します)、しかし音楽に対して心から取り組もうとする姿勢であるということは共通している、ということです。とりわけ、他の出場者の歌唱に合わせて小さく口ずさみ、「この曲好きなんだ。来年はこれにしようかな。」とおっしゃっていた方や、歌い終わった後に、溌剌と「やっぱり歌うっていいことね。ぼけ防止にもなるわ!」とおっしゃっていた方が印象的でした。

また、出場者がその場でどのようなことを疑問・不安に思うか、等を考えながら行動するよう心がけましたが、それとは逆に、参加者の人柄や温かな雰囲気のおかげで会が円滑に進み、それぞれの相互作用の上で成り立っているということも、身を以て体験しました。


私が今回お手伝いさせていただいたこのコンクールは、20年以上にわたって培われてきたコンクールの伝統と、企画・運営者のご尽力、人々の交流・連帯感が作用し、コンクールという競争の場にとどまらずに、普段さかざまなコミュニティーに属する人々が集い、それぞれに音楽を追求しながら、全体で一体となって日本歌曲を味わい醸成していくような場として機能しているということが、素晴らしい特色であると感じました。日本においては、とても希少なものなのではないかと推測しますが、どう思われますか。

このコンクールのような性格を有した催し物をご存知の方は教えていただきたいです!(茶・ume)

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