2012年7月31日火曜日

つながりのコミュニティ

みなさん、こんばんは。芸・nbkmです。
ブログを通して、さまざまな意見交換が行われていて、非常に興味深く参加させていただいています。

私の所属する研究室では、文化・芸術と社会課題との関わりも、研究の焦点となっています。
何より、学生が運営を担うプロジェクト全てがそのような側面を持っています。

そういった関心から出会ったある本を紹介したいと思います。

佐藤友美子・土井勉・平塚伸治『つながりのコミュニティ 人と地域が「生きる」かたち』(岩波書店、2011年)です。

コミュニティ論なのですが、新たなコミュニティのあり方として紹介されている事例には、
「アトリエ インカーブ」や「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」なども紹介されています。
事例検証を踏まえて、現在コミュニティというものがどのように機能しているのかについて書かれているものです。

インカーブの事例では、障害者と社会をつなぐものとしてのアート、
越後妻有の事例では、土地の人、外部の人をつなぐものとしてのアートということで、
人と地域が「生きる」かたちを形成していくための重要な資源としてアートが取り上げられていました。

私たちの研究室で行っているプロジェクトにおいても、起こせる何かは小規模かもしれませんが、
アートが地域に関わる意味が非常に大きいことは間違いありません。
「コト」を仕掛ける側にいる我々にとって、アートと地域が関わることにどのような意味があるのが、
それによって何がもたらされるのか、地域の人々にその地域の資源として受け止めてもらえるのか、
といったことを考えることは非常に重要です。

この本は、実践を主軸におく我々にとっては、そこに起きた現象をどのように言語化するかのヒントになるし、
研究を主軸におく方々にとっても、今どういう現象が起きているのかを、実践的視点から知ることができるので、
非常に興味深いのではないかと思います。
3.11以降に出版された本なので、被災した後の社会のことも考慮してあると思います。

ぜひ読んでみていただけると嬉しいです。


(芸・nbkm)

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