お茶大の舞踊専攻、みそと申します。
実は本番が、つい先日の7月14日に行われました。東京都大田区の厳正寺で行われる「水止舞」という三匹獅子舞で、東京都の無形民族文化財に指定されています。雨を止ませるための舞という言い伝えがあります。日本では雨乞いの祭りなどは多いですが、逆に雨を止めるというのはとても珍しい行事です。
本当は事前に告知し、このブログを読んでいる方々にも観に来ていただきたいと思ってはいたのですが準備に忙しく・・・というのも、今年は私自身が獅子舞を舞わせていただく機会を頂いたからなのです。私は静岡出身で、大田区には縁もゆかりも全くないといっていいのに、舞う機会を与えて頂きました。本当に運が良かったし、恵まれていたと思います。大森の方々に感謝です。私は来年から就職しますが、続けて獅子として出演していきたいと思っています。
と、このようなかたちで関わっている水止舞ですが、私が特に面白いと感じるのは、水止舞が「地域の文化」だというところです。先生の講義のなかでも、文化によって地元のアイデンティティを感じようというような、文化の1%システムが取り上げられていました。一方で、この大森では、700年以上(おそらく笑)も「水止舞」という文化が受け継がれ、そこからアイデンティティを得ている人々が集まっています。舞手や笛士の中には、サラリーマンで地方に転勤になった人も何人かいますが、水止舞の練習と本番は必ず大森に帰ってきます。地元に文化があって、それが人々を魅了し帰る場所を提供するなんて、とても素敵なことだと思います。私の地元にはそのような行事はないので、特にうらやましいと思いますし、だからこそ研究対象にしたのかもしれません。
文化は人を引きつけます。決してフリルなんかではない、人々の生活になくてはならないものだと、水止舞に関わっているとそう思います。
みなさんの地元には、そういう文化はありますか。このブログの感想でも、なにかお話を聞かせて頂けたらと思います。
写真は2010年の様子です↓
(茶・みそ)
こんにちは。
返信削除茶・しぶです。
私は日本文学を専門にしています。
お茶には今年、修士になってから入学しました。
みそさんの、水止舞、珍しいですね!
私が今住んでいる松戸市の日枝神社にも同じように三匹獅子舞があります。もちろん、水止ではありません・・・。
小さなまちの小さな神社での獅子舞ですが、毎年欠かさずやっており、地元の人々が家族連れで見に来ています。
以前住んでいた地域よりも、はっきりいって学習に対する意欲は薄く、進学率も低い地域です。しかし種々部活動が盛んなだけあって、獅子舞だけでなく、例えば市の音楽祭などは盛り上がり、文化の享受の仕方が面白いまちだなと思っています。
獅子舞および笛は地域の男の人が例年やっているようで、とても素晴らしい腕前とは言い切れませんが、口伝で絶えず今に生き続けているところをみると、地元の人々にもこの文化を大事にしなければという意識があるように感じられます。
農家で地域に根付いているひとが多いことも背景のひとつであるようにも思います。
社会に出て、さらに文化とともに歩む、みそさんのご活躍を祈っています。
茶・しぶ
返信遅くなりました。
削除しぶさん、コメントありがとうございます。
松戸には獅子舞がいくつかありますが、しぶさんの住んでいらっしゃるまちにもあるのですね!地域で盛り上がれるものがあるって素敵です!人々のなかに、文化は大切にしなければならないという意識が自然に芽生えているのですよね。
なにもおしゃれをして劇場に足を運ぶことだけが文化ではないと思います。(私は、ダンスをしていて、どちらかというと劇場のほうが身近でしたが・・・笑)人々の生活の延長にある、地域に密着した文化に目を向けることは大切だなと思っています。
(茶・みそ)
こんばんは。
返信削除芸大のjinと申します。
前から思っていましたが、日本には地域から守られ、みんなに愛されるお祭りが結構多いと思ってます。
海外にもよく知られている京都の祇園祭りは今や京都だけの祭りでもないきがするほど、日本で祭りはちゃんと守られているな、と思います。
お祭りが時代が変わっても、続いていける理由は何ですかね??
韓国にも、結構お祭り、フェスティバルが多いですが、’地域の活性化、また観光資源’として開発、また支援される傾向が強いです。地域住民の文化生活や地域のアイデンティティよりも、一応外の人を呼ぶきっかけにしようとしてます。(少しずつ変わってはいますが…)
それを私自身はすごく残念に思ってます。
それで、日本で行われている小規模(?)、本当にその地域の人が楽しんでいるお祭りの背景にはどういう歴史、または原動力があるのかが気になります。
また、良いお祭りがあれば教えていただけたらと思います^^
芸大 jin