2012年7月30日月曜日

日本の街並


はじめて記事を投稿します.よろしくお願いします.

私は修士論文の研究を「路地・横丁」に関するテーマにする予定なので,このブログでもそのことについて書いていこうと思います.

東京内には主に江戸〜現代にかけて時代とともに様々な路地や横丁ができてきました.
例えば...
神楽坂の入り組んだ路地は江戸時代の花柳界とともに,
上野のアメヤ横丁は戦後の闇市から発展しています.
建築史家の陣内秀信氏は路地や横丁を『末端に無数のミクロな都市空間があり都市社会の安定を生む』日本(江戸,東京)特有の都市のスケールだとしています.
私も路地や横丁は日本の歴史や文化に関わる重要な街なみだと考えています.

ところが今後,路地や横丁はなくなっていくかもしれません.
なぜならば日本の建築基準法では
『建物の敷地は幅員4メートル以上の道路に接している必要があり,その要件を満たさないと建築は認められない』
とされています.
路地や横丁は4メートル以下の道路に接しているものがほとんどです.
なので,もしも建て替えを行なう時は建物がたっている敷地を削ってそこを道路にして幅員を広げてから建て替えなければなりません.

路地や横丁でこの建て替えが起こっていった場合(実際,路地や横丁内の建物は老朽化しているものが多々ある)どうなるでしょう.
道幅が広げられ,『ミクロな都市空間』はなくなってしまいます.
もちろん,防災防火や先にも述べた建物の老朽化など路地・横丁にも様々な問題があるのは確かですが...

関東大震災や戦争の空襲を間逃れてきた数少ない昔からの路地や横丁もなくなるしかないのでしょうか.
著名な建築家が建てた建築や景観が美しい街と同様に残していくことはできないのでしょうか.
また,皆さんは残すべきだと思いますか?考えをお聞かせ頂ければうれしいです.

お茶・saa





12 件のコメント:

  1. 路地・横丁に関するご研究、大変興味深いです。
    私は故意に道に迷うことを趣味の一つとして数えるくらい、わけのわからない横道脱線が好きです。時間のあるときなら良いですが、急いでいるときにやってしまうのはもはや病的ですけれどもね。

    いつも歩いている道からであっても、ふと気まぐれに路地に入り込むとまったくの異空間に入り込んでしまうような感覚が好きです。幼少期から、迷路的なもの、labyrinth的なものに心惹かれていたような気がします。

    一方で、人や車の往来の多いところで、道路が狭かったり歩道がなかったりするところは、物理的に危険を感じることは確かです。ですので、茗荷谷駅からお茶大への春日通沿いの歩道が広がっていることは素直に喜んでいます。

    挙げてくださっている建築基準法の条件が、今後すべての建物に一律に適用されるとすると、路地・横丁が徐々に消えてしまうような気がして本当にさみしいですね。街並み保存との兼ね合いで、法律にも、融通をきかせてほしいものだと思います。

    (茶・YE)

    返信削除
    返信
    1. コメント有り難うございます.
      路地の幅員は日本の固有の単位『間』単位なので遺伝子的に惹かれるのかもしれません^^
      YEさんも路地・横丁がなくなって寂しいと思っていらっしゃるということで,考えに共感してくれる方がいてとてもうれしいです,
      路地・横丁の保存にも研究者として携わっていけたらいいなぁと思う今日この頃です.
      (お茶・saa)

      削除
  2. 私も狭い路地は大好きです!東京は特に多くて寄り道していますが、
    この前洗濯物を干しているおばちゃんに不審者としてジロッとされたり、
    ヒールで歩いたら「カツカツ」と軽快に響いてしまったり…
    (住む人にとっては「警戒」音…)
    やはりそこは住む人たちの領域なので、マナーを守ってこれからも入り込んでいきたいです!


    建て替えると道幅を広げないといけないこと、私も前に聞いたことがあります。
    そしてその法律の抜け道として、もうご存知かもしれませんが、建て替えではなく「リフォーム」で家を新しくしているところも多いみたいです。
    テレビでもビフォーアフターとかでそれっぽいの見たことがあります。

    詳しいことはわからないのですが土台を変えなければ建て替えにはならないみたいで、
    いまの建築技術なら建て替え同然の新しい家ができるとのこと。
    だけど、お金としてはリフォームのほうがかかるみたいです。

    あとは、やっぱりそこに住んでいる人たちが、この道は私たちの道だからと主張できる環境が、
    (いい意味で)無法地帯を生むのではないでしょうか。

    返信削除
    返信
    1. コメント有り難うございます.
      火災などで焼失した場合でなく,家を住みやすくしたい場合にはリフォームは有効な手段ですね!なるほどと思いました!!

      路地はそこに住んでいる個性が出やすい道で植木鉢など家の周りを良く見せようと住民が個性を出すことを「あふれだし」と言うそうです.(『「いえ」と「まち」』鈴木成文 より)
      そこで生まれるコミュニティはやはち路地・横丁の魅力だと私は考えます.

      削除
  3. すみません、先ほどのコメント(31日11時のもの)は芸・かさはらがおこないました。
    失礼いたしました。
    (芸・かさはら)

    返信削除
  4. 路地やまち並み、いいですよね!
    それらが実際に観光資源として活用されているところがあるくらいなので、
    人びと(特に日本人?)にとっては、心を揺さぶられる魅力があるのだと思います。

    この授業に出席している芸大生は、そのほとんどが千住キャンパスの学生です。
    私自身も千住キャンパスの学生で、千住界隈を中心にしたプロジェクトに携わっていたので、
    千住というまちにもかなり詳しくなりました!
    千住のまち並みは、浅草や上野のように観光地化されておらず、隠れた名所だと思います。
    江戸四宿(品川、新宿、板橋、千住)のひとつとして数えられ、商人文化が根付いているところです。
    東北の方から東京の玄関口として使われていたところで、理髪店や整骨院が多いです。
    都心に入る前に身だしなみを整えたり、体調を整えたりしていたために、そのようなお店が発達したそうです。

    宿場町文化を残す狭い路地や密集した木造住宅は、本当に味がありますよね。
    私が千住地域で特におすすめしたいのは、柳原地区です。
    路地の幅は2m前後。戦後に発達した「はだか電球」が今も現役です。
    しかしそういった資源が残っているからこそ、災害時危険区域としても指定されています。
    どこか一軒でも火事が発生したら、地区ごと無くなってしまうのではないかとも思います。

    文化を継承していくことと、安全に暮らしていくことのバランスを取ることが、
    とても難しいことであるということを、真剣に考えていかなければならないと感じました。
    3.11以降、それはますます難しい問題となっているので、被災地の状況も鑑みながら、
    向き合っていきたいなと思っているところです。


    (芸・nbkm)

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます.
      皇居からみて東側の地域は路地など昔からの街並が多いですよね.
      柳原地区にぜひ行ってみたいと感じました!!
      木密路地には火災という大きな敵がいますが,火災で焼けた後に特例として道幅もそのまま復興した横丁などもあります.
      なんとか火災が起こる前にその特例を現存の路地に適用できないのか.と思います.
      文化の継承と安全な生活のバランスの難しさはこの分野のキーとなる課題だと感じます.
      (お茶・saa)

      削除
  5. このコメントは投稿者によって削除されました。

    返信削除
  6. はじめまして、お茶大のocha.YINGと申します。
    「路地・横丁」に関する研究テーマって、私もとても興味を持っています。私は留学生で、日本文化が大好きです、もちろん江戸から長い歴史を持つ路地と横丁もすきです。横丁などは狭いですが、歩いているととてもいい雰囲気だと思います。今日お茶・saaさんのブログを読んで初めて「路地・横丁」が消えていくことがわかりました。私はこれは残すべきだと思います。なぜかというと、これも日本の文化の保存だと思うからです道路建設のために、
    私は中国からの留学生です。実は中国の北京にも「路地・横丁」みたいなところがあります、我々は「胡同」と言います、今は道路の建て替えでもうだいぶなくなっています、だからこの何年間結構最後の「胡同」を保護しようていう声が多いです。
    「路地・横丁」であれ、「胡同」であれ、現代社会に合わないかもしれないが、これは古い時代から存在しているもので、歴史文化の記憶だと思います。

    返信削除
  7. コメントありがとうございます.
    路地や横丁を好きと言ってくださる方がいて本当にうれしく思います.
    胡同をネットで検索してみました!とてもすてきな雰囲気だなと思いました.胡同も中国の大切な歴史文化ですね.
    建物など実体がはっきりとしているものは保存が可能な場合が多いですが,路地や横丁など実体があまりはっきりしていない(規模などの区切りがあやふや)ものは保存しにくいのかなと感じています.
    ですが,どちらも歴史・文化に関わり深いものなのでどうにか残って欲しいです.
    (お茶・saa)

    返信削除
  8. 私の勤める町、吉祥寺には戦後の闇市をルーツとする「ハモニカ横丁」があります!
    狭い通りを挟んで左右に小さい店が軒を連ねることから、ハーモニカの吹き口に例えられたそうですが、
    ごちゃごちゃとした空間に仕事帰りの人達が集まって語らう雰囲気は、ヨーロッパのカフェとも共通する生活文化かなと思います。雰囲気は所変われば随分と違いますが…。「胡同」の雰囲気も大好きです!確か映画のタイトルにもなっていますよね。

    話は戻り、「ハモニカ横丁」は吉祥寺駅北口の正面に位置し、木造建築の密集するエリアを町の防災対策の点より過去には取り壊す話もあったそうですが、歴史的な町の文化として守ることを決めたそうです!
    地域を守る武蔵野消防署にとっては大変な心配の種とのことですが、(この話は武蔵野消防署の方に伺いました。)町の魅力を安全と共に守ろうという意識の武蔵野市が誇らしいと(自分は住人ではないのに)感じた瞬間でした。
    (青・さいとう)

    返信削除