2012年7月31日火曜日

こどもと文化政策(と広報と市民としての自覚?)

みなさんはじめまして。お茶大のjasmine@seaと申します。
書きたいことがいろいろありすぎて、何を書こうか迷っている間に、こんなギリギリになってしまいました笑

迷った結果、今回は自己紹介を兼ねて、私の子ども時代の経験から、「こどもと文化政策」についてお話しすることにします。

私は現在お茶大M2で日本近世史(≒江戸時代)を専攻し、副専攻として博物館学を学んでいます。このブログに集っている方々は、「文化」と聞くとダンスや音楽など「芸術文化」「アート」をまず連想される方が多いかと思いますが、私は生活全般といった意味合いで「文化」を捉える傾向が強い人間です。大学では「芸術文化」に触れる機会はなく、これまで芸術文化をアカデミックに考える機会もありませんでした。普段の生活でもそれほど意識することはありません。

かといって私が芸術文化に全く興味がなく隔絶された生活を送ってきたというわけではありません。

特に子どもの頃は、夏休みになると連日のようにあちこちの劇場で開かれたイベントに参加していました。私は横浜市出身なのですが、みなとみらいホールでパイプオルガンも弾きましたし、渋谷の円形劇場?で幻想的なお芝居も観ました。
また、私の弟は横浜能楽堂で開かれた「こどものための狂言ワークショップ」に参加したことがあります。これは夏休みに数日間のワークショップに参加した後、希望者はさらなる練習を積み実際の能舞台で演じることができるものです。色々な学年のこどもたちが一緒になって練習をし、本物の舞台で演じたことは、10年経った今でも忘れられない経験となったようです。この横浜能楽堂は平成17年度のJAFFAアワードに選ばれています。(私は間違いなく参加者の中で最年長になることに恐れをなして、応募しなかったのです・・・。モッタイナイ!!)

またこうした芸術文化分野だけでなく、動物園で図鑑を作ったりバックヤードに行って掃除をしたり、自然系・歴史系・技術系など様々な博物館に行ったりと、多様な分野の文化イベントに参加していました。一日で渋谷にあるNHK、電力館、たばこと塩の博物館、プラネタリウム、こどもの城を回るのは、夏休みのテッパン行事でした笑

こうした経験たちは間違いなく私の世界を広げてくれました。みなとみらいホールでは、横浜にちなんでかもめの形にデザインされたパイプオルガンであることを知り、ますます横浜という場所が好きになったことを覚えています。また同級生の多くが学校の勉強を教科書の範囲内ででしか捉えられないのに対し、私たち姉弟は学校で学んだことを博物館や動物園で見聞きしたことと照らし合わせて、実際の世界に位置づけて理解できていたように思います。

これらたくさんのイベントに参加できたのは、私の母がこうしたものに関心が強く、自治体の広報紙をくまなくチェックして応募してくれたからです。(私の母は、母の母、つまり私の祖母にやはり夏休みにいろいろなイベントに引っ張り回されたそうです笑)ですが、母曰く、こうしたイベントへの参加方法が分からないというお母さん方が多かったといいます。

こうしたイベントは間違いなく参加する価値があるものだと思います。さらに、こうしたイベントは「招待」が多く、参加費がかからないものも多いです。

より多くの子どもたちに参加してもらうためには、イベントを提供する側が確実に情報を届けるための工夫を凝らすことも確かに必要だと思います。ですが、私は市民が市民としての自覚をしっかりと持って、行政が提供しているサービスを積極的にキャッチしていくという姿勢が非常に大切ではないかと思っています。

私自身も市民としての自覚を持って、提供されているサービスを貪欲に利用していこうと思っています。

簡潔に意図を伝えるのはなかなか難しいものですね・・・笑
みなさんはどんなイベントに参加したことがありますか??


茶・jasmine@sea

2 件のコメント:

  1. こんにちは。芸・fmiと申します。
    芸術文化以外の生活全般も「文化」と捉えるjasmine@seaさんの考え方に共感しました。そして、私も子供時代、自治体主催の自然系や歴史系の文化イベントに参加していた事を思い出しました。

    私が参加したのは、「かんきょう探偵団」という市主催の環境活動クラブです。
    名前の通り、遊びやワークショップを通して自然環境保護に対する意識を高めよう、という趣旨のイベントだったように思います。
    市内のいろんな公園や森林でセミの抜け殻を取り、場所によってどんなセミが生息しているか調べたり、楽しみながらリサイクル活動をした思い出があります。

    市内の歴史スポットを巡るイベントや子どものための化学実験教室も、今思えば市主催でした。

    また私は参加していないのですが、大阪なので吉本新喜劇のベテラン女優さんを招いて、子供たち主演のコメディミュージカル・ワークショップを開催したりもしていましたね。

    こうして思い返してみると、jasmineさんの仰る通り、これらのイベントに参加したことで自分の世界は広がったし、自分が住む町やそこにある施設への親しみがますます湧いたように思います。
    そしてこれらは、子ども達への教育だけでなく、地域を盛り上げたり街づくりにも繋がっていた事業だったんだなと。

    意外と市が提供するサービスって、知られていないものも多くて勿体無いですよね。
    私も、自分が住む街のサービスに積極的にアンテナを張っていこうと思います。

    (芸・fmi)

    返信削除
  2. 文章を読んでjasmine@seaさんがどれほど、良い環境で貴重な経験ができたか、またそれがどんなに意味のあることだったかすごく感じられました。^^ うらやましかったです。

    しかし、横浜や東京など大都市でも行政や、イベントを提供する側の情報発信や広報が問題(?)というかまだ足りないということに少しはびっくりしました。

    この業界(?)が持っているハンディキャップですかね?
    まあ、それはともかく、私はjasmine@seaさんの考えに同意してますが、市民という自覚をちゃんと持ってこの忙しすぎる現代社会を生きるには色々な壁があるなあと思いました。
    実際に自分も色々関心や興味を持っているのがたくさんあるのにも実際にいけないことが多いです。
    なので、そういう忙しすぎている市民また一人の人間にどういう戦略で文化、芸術が(イベントなど)が近づければいいのだろうと悩んでます。
    結局、話すと、そういう経験(イベントの参加、芸術文化への活動など)をしないと自分に損になるんだ、またはそういう経験が絶対得になるんだ、それが本当に日常生活のようなものだと思われる環境にならなりと…ですね。
    話があっちこっちに言ってますが、でも、こういうことで悩んでる、また勉強しようとする人がきっと前より増えていると思うと、それだけで変化はあるのではないでしょうか?
    (私たちが、その市民と言いう自覚を持つ一人じゃないでしょうか!!^^)

    芸大 jin

    返信削除