2012年7月27日金曜日

中国の少数民族文化政策について(ocha.YING)

 

はじめまして、お茶大のocha.YINGです。

私は中国からの留学生で、朝鮮族です。多分皆さんもご存じだと思いますが、中国には漢民族以外に、55の少数民族があります。朝鮮族もその一つの例です。これらの少数民族は、各自の文化、伝統、言語を持ってます。中国では、各少数民族自分の文化発展を支援するために、多元文化政策を進めています。今日は、中国の多元文化政策について話したいです。

中国では「わが国は、統一的な多民族国家である」と主張し、人数が圧倒的に多く、各分野で主導的役割を果たしている「漢民族」と、固有の文化をそれぞれ持っている「少数民族」とが互いに尊重しながら国家の建設を進めるようにしています。少数民族に対して、政府からいろいろな優遇政策があります。食物配給制の時代に、少数民族は漢民族よりいい食品が配給されていました。うちのおばあさんの話によると、1960年代にうちは米が配給されたが、隣の漢民族はコーンが配給されました。いまでもいろいろな優遇政策があります、たとえば、少数民族には二人の子供を産むことが許されること、少数民族の学生は大学入試試験でプラス五点などの政策があります。

それでは、少数民族の文化を発展向上させるために、どんな文化政策を施行しましたか?中国政府は民族文化を尊重することを原則として、さまざまな少数民族文化振興政策を作りました。一つとして、国が資金を投入し、少数民族自治地区に公立文化施設(文化ホール、博物館など)を建設することによって、少数民族各自の芸術文化、歴史文化を発展させます。私も延辺朝鮮族自治州で育てられたが、今も子供の時におばあちゃんと一緒に州立文化会館で朝鮮族踊りを見に行ったことを思い出せます。他として、少数民族文化芸術人材を奨励すること、漢民族少数民族文化交流活動の開催、少数民族文化資源の保護などの文化政策があります。

しかし、私の目から見れば、少数民族の文化は全体的に漢民族文化の同化される傾向があります。少数民族優遇政策がありますが、政治、経済、文化などの分野で実はほとんど漢民族が主導権を握っているため、多くの少数民族は社会の発展に従い、自分の民族特徴を失っていきます。漢民族の各少数民族の学校も自分の言語より北京語(中国の標準語)を重視しています。漢民族と結婚する少数民族もだんだん多くなり、その子供はほとんどもう少数民族の言語が話せないケースもたくさんあります。

56の民族がある中国で、多元民族文化を発展させるに、これらの文化政策で本当に民族文化の維持を保証できるかと私はよく思います。みなさんはどう思いますか?

3 件のコメント:

  1. yingさん
    初めまして
    芸大のizdyです(鄭タンイといいます)
    同じ中国の留学生です。
    yingさんの文章拝読し、まったく同感です。
    私は漢族ですが、中国の多民族文化における環境がより健全になるため、少数民族の歴史と文化の尊重・発展することに着目すべきだと思います。
    それについて、私自身もすごく興味を持っています
    そしてここでこういうふうに御話ができてよかったと思います(笑)
    ありがとうございます

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  2. こんにちは。

    中国の多元文化政策の状況について、詳しく分りやすく説明して頂いて、
    とても勉強になりました。

    近代化・グローバリゼーションが進むにつれて、
    文化はどんどん均一化していく傾向にありますよね。。
    そういう状況の中で、各地域・民族の文化をどう維持し、
    文化の多様性を保っていくかは、とても重要で、難しい問題ですね。

    日本でも、アイヌ民族の言語・アイヌ語が
    近いうちに消滅してしまうのではないかと懸念されていますね。

    (茶・MMM)

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  3. とても興味深く読ませていただきました。

    今の中国の状況は、日本の民族や多文化主義に対する考え方に
    寄ってきているのではないかと感じました。
    MMMさんもご指摘のように、日本にもアイヌをはじめ、少数民族がいますよね。
    しかし、日本は出る釘は打たれる文化なので(それが全ての原因とは限りませんが)、
    「皆と同じ」であることをいまだに重視しています。
    そのため、なかなか少数民族に対して光が当てられていないのが実情です。

    中国はまさにその状況になってきているのではないでしょうか。
    恐らく少数民族を排除するつもりもなければ、無視しているつもりもないのだと思います。
    単にマジョリティに飲み込まれてしまって、その問題が意識下にないのだと思います。

    まずはマイノリティの文化をどう残していくか、と考える人を増やしていくことが先決なのではないかと感じました。
    どういう手段を取るかを考える前に、いかに人の意識下におくかを考えることは重要なのではないかと感じました。

    (芸・nbkm)

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