2012年7月29日日曜日

指定管理者制度

こんにちは。
お茶大のMMMです。

私は物理学専攻なのですが、「文化マネジメント」ってなんだろう?
わからないけど面白そう!と思い、授業を受講しました。
受講してみて、今まで知らなかった知識や見方を得られ、とても有意義でした。
私は文化・芸術に関する知識が浅く、あまり提供できる情報もないので、
今回は授業で学んだ「指定管理者制度」に関する感想を書きたいと思います。

文化マネジメント論の授業で私が特に興味深いと思ったのは、「指定管理者制度」についてです。
指定管理者制度は、皆さんもご存じのとおり、公の施設の管理・運営を地方公共団体等だけでなく、民間企業やNPOなどを含む幅広い団体に代行させることのできる制度です。
私は授業で初めてこの制度について知りましたが、きちんと活用されれば非常に良い制度だなと思いました。
民間が運営する方が利用者にとって便利なサービスが増えることも多いと思いますし、
集客ノウハウも行政より民間の方が長けており、またコスト意識が高く効率的な経営が可能だと思うからです。

例えば、私は千代田区立図書館を何度か利用したことがありますが、ここは22時まで開館しています。
私は以前、千代田区内の企業で会社員として働いていたことがあるので、会社帰りにこの図書館を利用していました。
ふつう図書館というと、大体20時くらいまでしか開館していないので、
会社員が仕事が終わった後に利用するのは時間的に難しいことが多いです。
しかし千代田区立図書館は22時まで開館しているので、珍しい図書館だな、便利だな、という印象をもっていました。
今、指定管理者という制度を知って、改めて調べてみると、千代田区立図書館は
2007年に指定管理者による運営を開始してから、22時までの開館だけでなく、
その他多くの新しいサービスの企画・開発が行われ、
来館者数を大幅に増やしたことで注目された図書館だったようです。

もちろん、指定管理者導入・運用にあたっては、
利便性や収益だけでなく、文化・学術的な内容・水準が保たれているかなどを
行政がモニターしていく必要はありますが、
この制度が良い形で利用されて、活性化していく施設が増えると良いと思います。

実際に運用していく上で、色々な課題や問題点もあるとは思いますが、
指定管理者を選定・評価する行政側に、この制度を最大限に活用する意欲・能力があれば、
そうした課題や問題点も、少しずつ改善していくことができると思います。

また、芸術・文化に関わる職業につきたい人にとっても、この制度によって活躍の場が
多種多様に増えるのではないでしょうか。

(茶・MMM)

2 件のコメント:

  1. MMMさんはじめまして。
    お茶大のJasmine@seaと申します。
    私は現在就職活動中なのですが、そのなかで、授業でもとりあげられた指定管理事業を行っている会社の説明会に行ったことがあります。(具体名は出さないでおきますね)
    結論として私はとても残念な気分になってしまいました。
    コンサートホールだけでなく、文学館などにも事業を拡大しているとのことだったのですが、「学術性ははどう担保しているのですか?」といったような質問をしたところ、「年限があるので学術性は求めていない」といったような返答が返ってきたからです。
    私は説明会の後、ここを受けることはないなーと思い、それ以上調べたりしなかったので、ここの文学館の運営体制がどうなっているのかははっきりと知らないのですが、この返答には残念だな―と思わざるを得ませんでした。
    また、指定管理者制度を利用する中で、企業側はもちろん行政の担当者とやりとりすることがあるのですが、私がそのくらいのことは行政側もチェックして当然だろうと思うことでも、「行政の人は細かい」と不満を漏らしていたことに、首をかしげてしまいました。

    もちろん千代田区立図書館のように好例もあり、指定管理者として業務を請け負っている企業等の全てがこういう「?」な例に当てはまるわけではないと思います。
    行政側も指定管理者をきっちり見定め、指定管理者側も行政の注文を小うるさく思わずに、その注文が出てくる背景をしっかり掴んで運営していってほしいなあと思いました。

    (茶・jasmine@sea)

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  2. Jasmine@seaさん、コメントありがとうございます。

    うまく利用されれば良い制度だと思ったのですが、
    そんな残念な実態もあるのですね。。
    企業側がどういう意識をもっているのが具体的に垣間見れて
    とても興味深く読ませて頂きました。

    確かに、指定期間の短さに伴う色々な問題や
    学術的内容が担保されなくなる可能性がある、といった点は
    これからの大きな課題ですね。

    学術・文化的にも良い施設運営をしていこうという意欲のある団体こそ
    指定管理者に選ばれてほしいし、行政もそういう団体は継続的に採用していくなどして、
    うまくコントロールしていってほしいですね。

    そういう意味で、授業で先生がおっしゃっていた、
    行政側に文化を理解した人材が必要だ、という点に非常に納得です。

    (茶・MMM)

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